セラミック治療を受けることで、ジルコニアやメタルセラミックといったさまざまなセラミック素材を装着できます。
また新たに虫歯を治療した方だけでなく、これまで銀歯を使用していた方が、補綴物をセラミックに交換することも可能です。
今回は、銀歯をセラミックに交換するメリットや注意点について解説します。
銀歯をセラミックに交換するメリット4選
すでに装着されている銀歯をセラミックに交換することで、以下のようなメリットが生まれます。
・審美性が上がる
・二次カリエスや歯周病のリスクが下がる
・長く使えるようになる
・頭痛や肩こりが改善する
各メリットについて詳しく説明します。
審美性が上がる
銀歯をセラミックに交換すれば、歯の審美性は格段にアップします。
セラミックには、天然歯のような透明感やツヤがあります。
また近隣の歯に近い色を選ぶことが可能であり、キレイかつ自然な仕上がりの歯を手に入れることができます。
一方、銀歯はリーズナブルな補綴物ですが、見た目はかなり目立ってしまいます。
二次カリエスや歯周病のリスクが下がる
銀歯をセラミックに変えることにより、二次カリエスや歯周病のリスクも低下します。
二次カリエスは、一度虫歯を治療した歯の内部で再び発症する虫歯です。
銀歯は歯の汚れを吸着しやすいため、内部に虫歯菌が入り込んで二次カリエスを発症しやすいです。
また同じ理由で歯周病を発症するリスクも高くなりますが、セラミックはこのような心配が少ないです。
セラミックは銀歯よりも歯にフィットしやすく、なおかつ歯の汚れを寄せ付けにくい特性があります。
長く使えるようになる
銀歯よりもセラミックの方が、長く使用し続けられる可能性が高いです。
銀歯は頻繁に交換する必要があるため、リーズナブルではありますが、コストパフォーマンスが高いかと言えば疑問符がつきます。
一方、セラミックはとても強度のある素材であり、適切なケアをすれば長期間長持ちします。
またセラミックは摩耗に強く変色もしにくいため、長年にわたって自然な見た目をキープできます。
頭痛や肩こりが改善する
これまで頭痛や肩こりに悩んでいた方は、銀歯からセラミックに交換することにより、改善する可能性があります。
なぜなら、ガルバニー電流が原因で頭痛や肩こりが起こっている可能性があるからです。
ガルバニー電流は、口内にある補綴物の異なる金属が触れ合うことで発生する現象です。
発生すると、口内にピリッとした痛みや違和感が出ます。
またガルバニー電流は、自律神経の乱れにつながることもあり、こちらが頭痛や肩こり、耳鳴りやめまいなどを引き起こします。
銀歯からセラミックに交換すれば、このような不定愁訴から解放されることが期待できます。
銀歯からセラミックに交換する場合の注意点
銀歯からセラミックに交換すれば、確実に補綴物のクオリティはアップします。
しかし、以下のような注意点があるため、交換を検討している方は事前に把握しておきましょう。
・コストがかかる
・歯を削る量が増える
・割れる可能性がある
・治療期間が長い
各項目について詳しく説明します。
コストがかかる
銀歯からセラミックに交換する際、コストは高額になります。
銀歯の治療にかかる費用は保険診療のため、1本あたり数千円程度で済みますが、セラミック治療は自由診療のため、数万円単位の治療費が発生します。
歯を削る量が増える
銀歯からセラミックに交換する場合、銀歯を外すために新たに歯を削らなければいけません。
また銀歯は金属で丈夫なため、薄くつくっても問題ありませんが、セラミックの耐久性を確保するには詰め物や被せ物の厚みが必要になります。
こちらも歯を削る量が増える理由の一つです。
ちなみに、歯を削る量が増えれば増えるほど、しみやすくなったり痛みが出たりする可能性は高くなります。
割れる可能性がある
銀歯は強い衝撃を受けても割れる可能性が低いですが、セラミックは衝撃に弱く、割れる可能性が十分にあります。
そのため、銀歯からセラミックに交換するのであれば、セラミック素材の中でも強度の高いジルコニアなどを選ぶべきです。
また歯ぎしりや食いしばりがある方は、よりセラミックが割れやすくなるため、マウスピースをするなどの工夫が必要です。
治療期間が長い
セラミック治療のプロセスは銀歯と比べて複雑であり、時間がかかる場合があります。
こちらは、セラミックを適切にフィットさせるために必要な手順が多いからです。
また精密な作業が必要とされるため、複数回の来院が必要な可能性もあり、忙しい方は時間を確保するのが難しくなります。
まとめ
銀歯からセラミックへの交換は、非常におすすめの選択肢です。
銀歯の持つ問題やデメリットの多くは、セラミックの装着によって改善されます。
ただしセラミックは、歯を削る量が多いことや耐久性の不安など、銀歯にはないデメリットも持っている素材です。
またコストもセラミックの方が高いため、どちらの補綴物の方が優れていると一概には言えません。
