セラミック治療は高品質の補綴物を使用する治療であり、当然安全性を確保しながら進められます。
しかし患者さんの中には、セラミック治療に興味があるものの、恐怖心があってなかなか受けられないという方もいるでしょう。
今回は、セラミック治療が怖いと感じてしまう主な理由について解説します。
セラミック治療が怖いと感じる理由5選
セラミック治療が怖いと感じる方は、以下の点に不安を抱いていることが多いです。
・割れるのが怖い
・歯を多く削るのが怖い
・痛みが怖い
・費用が高くなるのが怖い
・寿命が来るのが怖い
割れるのが怖い
セラミックがすぐに割れてしまうのではないかという不安から、怖くて治療に進めない方がいます。
確かに、セラミックは陶器素材であるため、割れてしまう可能性があります。
しかし、こちらはあくまで強い衝撃が加わったときの話であり、決して耐久性が低いというわけではありません。
また歯ぎしりや食いしばりがある方は特にセラミックが破損しやすいですが、マウスピースなどの対策をしておけば割れるリスクを軽減できます。
さらに硬い食べ物を繰り返し食べるなどしたときも、割れる可能性はありますが、通常の食事であれば簡単に割れることはありません。
そのため、割れるのが怖くて治療を受けられないほど、セラミックはやわではないと言えます。
特に陶器素材の中でも硬度が高いジルコニアは、人工ダイアモンドと呼ばれるほどの硬さを誇ります。
歯を多く削るのが怖い
歯科クリニックや歯科治療に苦手意識がある方は、セラミック治療で歯を多く削るのに恐怖心を抱くこともあります。
前述の通り、セラミックはある程度の耐久性はあるものの、割れてしまうリスクを抱える素材です。
そのため、作製する際はある程度素材に厚みを持たせなければいけません。
また厚みを持たせるというころは、その分天然歯を多めに削るということです。
単純にセラミックを厚くするだけでは噛み合わせが整えられないため、セラミックが厚い分天然歯の部分は少し薄くなります。
しかし、天然歯が一切なくなってしまうほど歯を削るわけではありません。
こうすることでセラミックと天然歯の密着度が高まり、耐久性が向上する上に、周りの歯と調和して自然な仕上がりになります。
さらに、当然ながら虫歯や損傷した部分も削って取り除くため、口内環境の改善にも役立ちます。
痛みが怖い
セラミック治療を行うにあたって、痛みが生じるのが怖いと感じる患者さんも少なくありません。
虫歯治療後の補綴物として採用されることの多いセラミックですから、治療時にはある程度痛みがあると予想する方が多いです。
しかし、実際痛みはほとんどありません。
セラミック治療は通常の虫歯治療と同様、麻酔処置が可能です。
歯を多く削るからといって、その分痛みが増すということは考えにくいです。
また治療が終わって歯科クリニックを後にするころ、どうしても痛みが現れることはありますが、こちらは通常生活には影響のない程度の痛みです。
そのため、痛みに敏感な方でも問題なく治療を完了させられる可能性が高いです。
セラミック治療の実績がある歯科クリニックを選ぶことができれば、このような痛みにはさらに配慮してくれます。
費用が高くなるのが怖い
セラミック治療は、保険が適用されない自由診療として提供されます。
そのため、費用が高額になるのが怖く、なかなか手が出ないという患者さんもいるかと思います。
確かにセラミックの費用は、お世辞にも安いとは言えません。
歯科クリニックによって金額には差がありますが、一般的には詰め物が4~8万円、被せ物が8~18万円かかります。
保険診療の銀歯が数千円であることを考えると、いかにこちらが高額かわかります。
しかし、費用に関しては事前に歯科医師から説明がありますし、基本的に追加費用がかかることもありません。
またセラミックには保証制度が設けられているため、万が一装着後に破損などが起こっても、患者さんが原因でなければ無料で調整や再作製をしてもらえます。
寿命が来るのが怖い
セラミックは寿命が訪れると、新しいものに交換しなければならず、このときにはまた治療を受けなければいけません。
もちろん、再作製の費用もかかります。
このようなことになるのを怖がっている方もいるかもしれませんが、セラミックは極めて寿命が長いため、心配する必要はありません。
セラミックは、一般的に10~15年使用できます。
適切なメンテナンスを行えば、20年以上使用できることもあります。
つまり装着した年齢によっては、一生涯同じセラミックを使い続けられる可能性もあるということです。
まとめ
セラミック治療は歯を多く削ったり、高額な費用が発生したりする治療です。
そのため、怖くて手が出ないという気持ちもわかりますが、そこまで敏感になる必要はありません。
歯を削るといっても必要以上には削りませんし、費用も事前に把握できます。
さらに簡単に割れたり痛みが現れたりするものでもないため、選択して損はないと言えます。