セラミック治療を受けることにより、虫歯を発症した箇所などの審美性はアップします。
一般的な詰め物や被せ物と比べ、セラミックは見た目が美しい素材だからです。
しかし治療が完了した後も、セラミックのアフターケアは欠かせません。
今回は、セラミック治療後のアフターケアを怠った場合のデメリットを中心に解説します。
セラミック治療後のアフターケアを怠るとどうなるのか?
ここでいうアフターケアとは、自宅で行うブラッシングなどのセルフケアと、歯科クリニックで行うプロケアの両方を指しています。
セラミック治療を受けることで、一旦はキレイな歯が手に入りますが、アフターケアを怠っていると以下のようなトラブルにつながります。
・虫歯や歯周病のリスクが高まる
・セラミックの負担が大きくなる
・歯髄炎を発症する
各項目について詳しく説明します。
虫歯や歯周病のリスクが高まる
セラミック治療後のアフターケアは、虫歯や歯周病のリスクを軽減させるための重要な要素です。
セラミックは保険診療の詰め物や被せ物と比べて、表面にプラークがつきにくいという特徴があります。
しかしこちらはあくまでつきにくいだけであり、一切付着しないというわけではありません。
そのため、アフターケアが不十分だと必然的に虫歯や歯周病のリスクは高まります。
また歯石が付着した場合、自宅でのブラッシングでは除去できないため、歯科クリニックのスケーリングなども定期的に受けておく必要があります。
セラミックの負担が大きくなる
セラミックの歯を手に入れたからといってアフターケアを怠ると、セラミックの負担が大きくなって破損につながるおそれがあります。
こちらは噛み合わせや歯ぎしり、食いしばりなどの癖が関係しています。
人によって噛み合わせは異なりますが、こちらは常に変化し続けているものです。
そのため、セラミック治療後に噛み合わせが変わってしまったことにより、治療箇所への負担が大きくなることがあります。
また歯ぎしりや食いしばりなどの癖も、ある日突然発症することがあり、就寝中無意識に行われている場合はなかなか気付けません。
つまりアフターケアを怠ると、知らず知らずのうちにセラミックへの負担をかけ、破損や破折などのリスクを高めてしまうということです。
歯髄炎を発症する
十分なアフターケアを行わず、セラミックの歯をそのままの状態にしていると、歯髄炎を発症することもあります。
歯髄炎は、歯の中心に位置する神経と血管が通っている歯髄に炎症が生じる疾患です。
強い痛みを伴うことが多いため、一度発症すると大きなストレスになるでしょう。
またセラミック治療では、天然歯を削る量が多かった場合や、切削したとき歯髄に大きな衝撃が加わった場合などに歯髄炎を発症することがあります。
アフターケアをしっかり行っていれば、歯髄炎を発症したとしても、初期段階で対応できる可能性が高いです。
一方、セルフケアやプロケアを怠っていると、歯髄炎が悪化して口内環境は大きく乱れます。
ちなみに歯髄炎が重度にまで達すると、歯の神経を除去しなければいけないことも考えられます。
歯科クリニックでメンテナンスを受ける頻度について
セラミック治療後は、セルフケアとプロケアの両方を行うことが大事だという風に解説しましたが、プロケアについては何度も定期的に受けることが望ましいです。
具体的には、3～4ヶ月に1回は歯科クリニックに足を運び、セラミックや口内の状態を確認してみましょう。
ちなみに歯科クリニックでは、セラミックに付着したプラークや歯石についても、専用の研磨剤などを使用し、表面を傷つけないように除去することができます。
さらにセルフケアでは除去が難しい歯と歯茎の間、歯と歯の間に溜まった汚れも、徹底的に清掃できます。
その他、虫歯や歯周病の有無や噛み合わせの状態もチェックできるため、きちんと通っていれば治療後のセラミックに問題が生じる可能性は低いです。
セラミック治療後のセルフケアにおけるポイント
セラミック治療後のセルフケアにおける基本は、やはり丁寧かつ適切なブラッシングです。
ブラッシングについては1日2～3回、少なくとも毎食後に行います。
歯ブラシについてはやわらかめのものを選択し、力を入れすぎないように丁寧に磨くのがポイントです。
また歯間ブラシやデンタルフロス、フッ素入り歯磨き粉などを使用し、セルフケアの質を高めることも重要です。
ちなみにセラミックは強度があるものの、極端に硬いものを噛むと欠けたり割れたりすることがあります。
そのため、食事の内容についても注意してください。
まとめ
セラミックは非常に品質の高い素材であり、歯科分野ではさまざまな治療で選択されています。
しかし高品質とはいえ完璧な素材ではないため、セラミック治療後のアフターケアを怠っていると、さまざまな問題が発生します。
口内環境が大きく乱れたり、セラミック治療をやり直さなければいけなくなったりしないように、アフターケアは継続しましょう。
