セラミック治療を受ければ、通常の詰め物や被せ物を装着したときよりも、虫歯を治療した歯の見た目が良くなります。
しかし、治療後にトラブルが発生する可能性もゼロではなく、そのトラブルの一つに口臭が挙げられます。
今回は、セラミック治療後に口臭が発生する主な原因を中心に解説します。
セラミック治療後に口臭が発生する原因6選
セラミック治療後、以前よりも口臭がきつくなってしまったという方は、以下のことが原因になっている可能性があります。
・ハイブリッドセラミックを使用している
・接着剤が劣化している
・歯周病を発症している
・口内が乾燥している
・喫煙や飲酒
・薬の副作用
各項目について詳しく説明します。
ハイブリッドセラミックを使用している
ハイブリッドセラミックを使用している場合、治療後に口臭が出る可能性は若干高くなります。
なぜなら、オールセラミックなどに比べてプラークが付着しやすい素材だからです。
またハイブリッドセラミックは、セラミックと歯科用プラスチックであるレジンが混ざった素材のため、吸水による劣化が起こる場合もあります。
このとき、治療箇所から嫌なニオイを放ち、口臭が悪化することも考えられます。
接着剤が劣化している
セラミック治療後に口臭が強くなったという場合、治療に使用する接着剤が劣化している可能性もあります。
セラミックと治療箇所の天然歯は強力な接着剤で固定されていますが、何かの拍子に外れてしまうことがあります。
また接着剤が一部劣化すると隙間から水分が入り、内部で細菌が繁殖することで、ニオイが口臭となって現れるケースも見られます。
歯周病を発症している
セラミック治療を受ける前から歯周病を発症している場合、治療後に口臭が出るリスクは高まります。
こちらは歯周病によって形成された歯周ポケットが残存し、そこに細菌が溜まって繁殖することが理由です。
もちろん、歯茎の状況は事前に歯科クリニックで検査されますが、内容が十分でないとそのままセラミック治療が行われてしまうことも考えられます。
口内が乾燥している
口内が乾燥していることも、セラミック治療後に口臭が出る理由の一つです。
こちらはセラミックそのものの問題ではなく、患者さんの生活習慣などによって起こります。
例えば、慢性的な鼻炎により就寝中口呼吸をしている方は、朝起きたときに口が乾燥している可能性が高いです。
また口内が乾燥すると、唾液による自浄作用や殺菌作用が減少し、セラミック治療を受けた箇所で細菌が繁殖しやすくなります。
そのため、起床時における口内の乾燥と口臭がひどい方は要注意です。
喫煙や飲酒
喫煙や飲酒の習慣がある方も、セラミック治療を受けた後に口臭がひどくなるおそれがあります。
喫煙は唾液の分泌量を減少させる上に、歯茎の血流低下による免疫力の低下を招きます。
またアルコールは、タバコと同じく唾液の分泌量を減らす作用のほか、歯茎の炎症を助長させる作用があります。
これらの影響が重なったとき、セラミック治療後の口臭がひどくなることが考えられます。
薬の副作用
疾患の投薬治療を行っている方は、薬の副作用によってセラミック治療後の口臭が強くなってしまうことがあります。
特に高血圧症や糖尿病の薬には、歯茎の炎症を引き起こすという副作用があり、炎症した歯茎は十分にブラッシングをするのが難しくなります。
その結果、セラミック治療前よりも口臭がきつくなってしまうという仕組みです。
強くなった口臭を改善するには?
セラミック治療後に発生した口臭を改善するには、まずセルフケアを徹底的に行うことが大切です。
ここでいうセルフケアとは、歯ブラシによるブラッシングだけでなく、他のデンタルケアグッズを使用したケアも含まれています。
例えば定期的に歯ブラシとデンタルフロス、歯間ブラシを併用することにより、細菌や食べカスを除去することが重要です。
こうすることで、口内を健康な状態に保ち、なおかつ不要な物質の蓄積や口臭を防げます。
またフッ素入りのマウスウォッシュを使用することで、口内をさらに清潔にし、口臭を大幅にカットできます。
歯周病などにより、歯茎の炎症が見られる方は、ノンアルコールタイプなど刺激の少ないものを使用しましょう。
ちなみに、セラミック治療後の口臭を改善するためには、前もって治療後のセルフケアについて歯科医師から教わっておくことも大切です。
セラミック治療後は、治療前と比べて患者さんの歯の形状が変わっています。
そのため、ブラッシングの方法や適している歯ブラシの形状、大きさなども変化します。
まとめ
せっかくセラミック治療を受けて歯の審美性が高まったにもかかわらず、口臭が強くなってしまうと、患者さんは素直に喜べません。
また口臭がひどい場合、身内や同僚などにも不快な思いをさせる可能性があるため、注意が必要です。
もし治療後の口臭があまりにもひどいというのであれば、歯科クリニックに相談し、治療箇所の状態を詳しくチェックしてもらいましょう。
