セラミック治療を受けようと考える方の中には、まだ年齢が若い方もいれば、高齢の方もいます。
またそのような方々は、「何歳から受けられるのか」あるいは「何歳まで受けられるのか」と考えていることでしょう。
今回は、セラミック治療の年齢制限に関することを解説します。
セラミック治療は何歳から受けられる?
セラミック治療には特に年齢制限がありません。
そのため、何歳からでも治療を受けることが可能です。
ただし、年齢によってはセラミック治療以外の選択肢があり、そちらを選択した方が良いこともあります。
例えば、生まれつき歯がない部分があり、そこに歯を入れたいと考える未成年の子どもがいるとします。
このとき、セラミックのブリッジを入れて欠損部を補えば、見た目と機能を同時に回復させることができます。
しかし成長の余地が残っている場合、ブリッジを入れてしまうとその部分では骨の成長に伴う変化が妨げられてしまいます。
そのため、何歳からでも始められるとはいえ、現実的には永久歯がすべて生え揃い、顎の成長も終わっている18歳以上に適用すべきだと言えます。
10~20代前半におすすめのセラミック治療
一口にセラミック治療と言ってもいくつかの種類がありますが、10~20代前半の若い方に向いているものとしては、フルジルコニアクラウンが挙げられます。
フルジルコニアクラウンは、名前の通りジルコニアのみで構成されている単体構造のクラウンです。
ジルコニアはセラミックの一種であり、人工ダイヤモンドとも呼ばれる頑丈さが特徴です。
現在主流となっているフルジルコニアクラウンは、e-maxに代表されるガラスセラミックの3倍ほどの強度を持っています。
その上、着色処理を行うことで、自然な色調表現が可能です。
さらにフルジルコニアクラウンは、歯の切削量を抑えつつ、十分な強度と自然な美しさを実現できます。
そのため、将来の再治療にも耐えられるだけの歯質を維持しやすいです。
年齢が若い方の場合、将来の歯の健康も考慮した治療が必要であるため、フルジルコニアクラウンはピッタリだと言えます。
セラミック治療は何歳まで受けられる?
セラミック治療を受ける年齢に明確な制限はありません。
こちらは下限だけでなく、上限にも同じことが言えます。
たとえ70代もしくは80代であっても、歯科クリニックでセラミック治療を受けることは可能です。
歯は年齢とともに黄色味を帯びてくるため、差し歯を装着している高齢の方は、逆に差し歯の白さが目立って不自然な口元になることがあります。
このような悩みを改善するために、高齢でもセラミック治療を選択する方は多いです。
セラミック治療はむしろ高齢の方に向いている
セラミック治療は、高齢の方に向いている治療だと言えます。
なぜなら、高齢の方は虫歯のリスクが高くなるからです。
高齢になると、歯の表面のエナメル質が減少します。
そのため、虫歯菌に守られにくい歯質になってしまいます。
また年齢を重ねると、少しずつ歯の根元の象牙質が露出したり、唾液の分泌量が減少したりします。
こちらも虫歯のリスクを高める原因です。
セラミックは、見た目がキレイなだけでなく、表面がツルツルのため二次虫歯になりにくいという特徴があります。
このことから、装着することによって加齢に伴う虫歯のリスクを軽減しやすくなります。
セラミック治療をおすすめできない高齢の方とは?
セラミック治療は高齢の方にピッタリの治療ですが、中にはあまりおすすめできない方もいます。
具体的には、病気を患っている方や体力が著しく低下している方、身体が不自由な方などです。
このような特徴を持つ高齢の方は、定期的にセラミック治療後のメンテナンスに通うのが難しいです。
セラミックはプラークが付着しにくいですが、決して虫歯にならないわけではありません。
そのため、良い状態を維持するには、セルフケアだけでなく歯科クリニックでの定期検診が必要不可欠です。
しかし身体の状態が良くない方は、こまめに歯科クリニックに通うことができず、セラミックの劣化が激しくなるおそれがあります。
もちろん、定期検診を怠っていると、セラミックの寿命も短くなります。
セラミックの寿命と年齢について
セラミックの寿命は、きちんとメンテナンスをしている場合で10年以上と言われています。
保険診療の銀歯が5年持てば良い方と言われていることを考えると、こちらは非常に長いです。
また寿命が長いことから、高齢の方の場合は一度装着すれば一生使用できる可能性もあります。
歯科治療は少なからず体力を消費するため、こちらは大きなメリットです。
一方、若い方がセラミックを使用し続ける場合、一生のうちに何度も再治療を受けなければいけない可能性が高いです。
まとめ
セラミック治療は優れた治療法であり、年齢制限も特にありません。
そのため、高齢であることを理由に治療をためらっている方などは、一度歯科クリニックに治療を受けたい旨について相談してみましょう。
ただし18歳未満の方については、健全な成長を阻害するリスクを考慮し、基本的にセラミック治療以外の治療法を選択することになります。