セラミック治療は、白く美しい歯を手に入れるために、多くの方が受けている審美歯科治療です。
あくまで天然歯に近い、自然な歯の美しさを実現できます。
しかし、セラミック治療は原則保険が適用されない自由診療です。
今回は、セラミック治療が保険適用外になる主な理由について解説します。
セラミック治療に保険が適用されない理由3選
セラミック治療は原則自由診療であり、患者さんは治療費を全額負担しなければいけません。
そのため、銀歯やレジンといった保険診療の補綴物と比べて、治療費は高額になりやすいです。
またセラミック治療が原則保険適用外である理由には、主に以下のことが挙げられます。
・最低限の治療ではないから
・使用する材料や機器が高額だから
・経験や技術が必要な治療だから
各項目について詳しく説明します。
最低限の治療ではないから
セラミック治療に保険が適用されない理由としては、まず最低限の治療ではないことが挙げられます。
歯科クリニックで健康保険が適用されるのは、歯の健康を目的とした最低限の歯科治療のみです。
セラミック治療の場合、歯の健康だけでなく審美性も重視した治療であるため、原則保険が適用されません。
ちなみに、こちらはセラミック治療だけでなく、審美歯科治療全般に言えることです。
例えば代表的な審美歯科治療であるホワイトニングは、歯を白くすることが目的の治療であるため、同じく保険診療の対象外になります。
使用する材料や機器が高額だから
使用する材料や機器が高額であることも、セラミック治療に保険が適用されない理由の一つです。
セラミック治療では、型取りもしくはスキャンした歯型をもとにセラミックの歯を作製します。
このとき行われるスキャンや材料の削り出し、焼成といった作業には、さまざまな機器が使用されます。
またセラミック素材として使用されるのは、ジルコニアや陶材、ガラス製のセラミックなどであり、これらは決して安い材料ではありません。
そのため、歯科クリニックの利益のことを考えると、どうしても保険診療で提供するのは難しくなります。
経験や技術が必要な治療だから
セラミック治療は、経験や卓越した技術が必要な治療であり、こちらも保険が適用されない理由です。
セラミックの特徴は、なんといっても天然歯と変わらない美しさです。
保険診療の歯は決まった色調の中から、自身の歯に一番近い色を選ぶしかありませんが、セラミックは患者さん一人ひとりに合ったものをオーダーメイドできます。
しかし、実際患者さんの口に装着して確認しながら作製する工程は、保険診療に比べて手間と時間がかかります。
また歯科医師や歯科技工士の経験や技術も必要であるため、技術料などで金額が高くなります。
セラミック治療の金額を抑えるには?
セラミック治療は自由診療のため、どうしても保険診療と比べると費用が高くなってしまいます。
しかし、以下のような工夫をすれば、ある程度金額を抑えることは可能です。
・医療費控除を活用する
・複数の歯科クリニックを受診する
・ハイブリッドセラミックレジンを選ぶ
各項目について詳しく説明します。
医療費控除を活用する
セラミック治療の費用を抑えたい方は、医療費控除の活用を検討してみましょう。
医療費控除は、1年間に自身やその家族が医療費を合計10万円以上支払った場合に、確定申告の手続きをすることで、税金分が還付される制度です。
後々還付を受けられるため、実際セラミック治療の費用が安くなるわけではありませんが、トータルの費用は抑えることができます。
複数の歯科クリニックを受診する
セラミック治療の費用を安くするには、複数の歯科クリニックを受診することも大切です。
なぜなら、セラミック治療の費用は各歯科クリニックによって異なるからです。
自由診療の治療は、各歯科クリニックが自由に金額を設定できます。
そのため、相場より高額なところもあれば、格安のところもあります。
ただしセラミック治療の相場はある程度決まっているため、極端に安い価格で提供している歯科クリニックには注意しましょう。
治療費の一部しか提示していない場合や、安価で品質の低い材料を使っている場合があります。
ハイブリッドセラミックレジンを選ぶ
ハイブリッドセラミックレジンは、保険診療で作製できるセラミック素材です。
そのため、必然的に自由診療のセラミック治療よりも金額は安くなります。
また、ハイブリッドセラミックレジンはある程度の強度と審美性も持っていますが、すべての患者さんの歯に適用されるものではありません。
また歯科技工士が直接作製するセラミックの被せ物などと比べると、どうしても精度は落ちてしまいます。
まとめ
セラミック治療を受けるにあたって、金額がネックになっているという方もいるかと思います。
実際、セラミック治療は保険診療の銀歯やレジンと比べて高額であり、経済的な不安がある方はなかなか気軽には受けられません。
しかし、高額だからこそ得られるメリットがあることは間違いありません。
また患者さんの工夫次第では、セラミック治療にかかる費用の負担を軽減させることもできます。