セラミック治療は、虫歯治療を行った箇所にセラミックインレー、クラウンを装着する審美歯科治療です。
歯をキレイに仕上げたい方の多くに選ばれていますが、残念ながらこちらは治療後に問題が生じることがあります。
今回は、セラミック治療のやり直しが必要なケースについて解説します。
セラミック治療のやり直しが必要なケース7選
治療後に以下の問題が生じた場合、セラミック治療をやり直さなければいけないことがあります。
・虫歯の再発
・歯周病
・根尖性歯周炎
・見た目の悪化
・腫れの継続
・色調や形態の不満
・破損
各項目について詳しく説明します。
虫歯の再発
セラミック治療後に虫歯が再発した場合、再治療を行う必要があります。
セラミックは基本的に二次虫歯が起こりにくい素材ですが、治療後のセルフケアや定期検診などを怠っていると、再び虫歯ができることが考えられます。
またセラミックを支える歯で虫歯を発症すると、歯の中心部に位置する神経や血管が炎症を起こし、痛みが出るようになります。
さらに細菌が繁殖し、歯周病や口臭につながるおそれもあるため、虫歯が見つかった場合は一度セラミックを取り外し、病変部を治療しなければいけません。
歯周病
歯周病を発症したときも、セラミック治療をやり直す必要があります。
歯周病は、歯茎をはじめとする歯周組織に生じる病気の総称です。
セラミックは非常に精度の高いものが使用されますが、適合性が悪い場合、被せ物のマージンを中心に歯周病を発症します。
マージンとは、歯と被せ物の境目のことを指します。
またセラミック治療後、マージン付近に歯周病の症状が出た場合は、二次虫歯のときと同じくセラミックを取り外し、治療し直さなければいけないことがあります。
根尖性歯周炎
根尖性歯周炎を発症することも、セラミック治療をやり直さなければいけないケースの一つです。
セラミックの形が悪いことが原因で歯周病を発症すると、歯がグラグラになり、最終的には抜け落ちてしまうことがあります。
こちらは根尖性歯周炎または根尖病巣と呼ばれるもので、セラミックの土台となる歯で発症した場合には、治療を再度行わなければいけません。
見た目の悪化
セラミック治療は、虫歯治療を行った歯の審美性を高めるために行うものです。
しかし、場合によってはセラミック治療を受けたことにより、かえって口元の見た目が悪くなってしまうことがあります。
このような場合も、再治療を行わなければいけません。
セラミックのセルフケアとして、ブラッシングを徹底することは良いことですが、あまりに力が強いと歯茎が下がることがあります。
また歯茎が下がると、セラミックと歯茎の間の隙間が大きくなり、以前より見た目が悪くなります。
このようなケースでは、現時点での歯茎の形に合ったセラミックをつくるために、再治療を受けなければいけない可能性が高いです。
腫れの継続
セラミック治療を受けた後は、ある程度歯茎の腫れなどの症状が出ます。
こちらは通常当日中、長くても数日間で和らぐことがほとんどですが、場合によってはなかなか腫れが引かないこともあります。
このようなケースでも、セラミック治療をやり直すことがあります。
セラミック治療は、天然歯をそっくりそのままセラミックと入れ替えているわけではありません。
歯を削ってセラミックの補綴物を装着することにより、天然歯全体をキレイに見せているだけです。
そのため、セラミックを無理な位置にはめ込んでいると、歯茎との接触などによって炎症、腫れといった症状が出るようになります。
色調や形態の不満
セラミック治療を行った後、患者さんの希望していた色や形にならなかった場合、そこから修正するのは非常に難しいです。
特に強度の高いジルコニアセラミックなどの素材は、一般的な歯科用ドリルでは削ることができません。
そのため、患者さんが仕上がりに不満を抱いている場合、セラミック治療を一からやり直すことになります。
またこのような不満が出ないためには、事前に歯科医師に対してしっかりと自身の要望を伝える必要があります。
もちろん、単純にセラミック治療の技術が高い歯科医師を選ぶことも大切です。
破損
セラミックは硬さのある素材ではありますが、陶器と似ているため、強い衝撃を受けると破損してしまうおそれがあります。
また、破損した部分が小さい場合は、セラミック専用の修正を適応させることができます。
一方、大部分を破損しているようなケースでは、新しく補綴物をつくり直すしかありません。
ちなみに、セラミックは外傷だけでなく、就寝中の歯ぎしりや食いしばりによっても割れてしまうことがあります。
まとめ
セラミック治療のやり直しは、言い換えればセラミック治療の失敗です。
そのため、やり直しが必要な場合、セラミックや患者さんの口内には必ずトラブルが生じています。
またセラミック治療をやり直す場合、当然患者さんの負担や手間は増えますし、費用もかさみます。
事前にセラミック治療の注意点を理解し、どれだけ対策を取れるかがポイントになります。
