セラミック治療は、医療用セラミック素材を用いた詰め物や被せ物の治療です。
保険診療の虫歯治療と比べて、審美性や機能性の高い素材を使用できるのが特徴です。
また、セラミック治療は詰め物や被せ物を入れた後も、アフターケアが必要です。
今回は、セラミック治療後のセルフケアにおけるポイントを解説します。
アフターケアを怠るとセラミックの寿命が縮まる
治療後のアフターケアを怠ると、セラミックの寿命が縮まるおそれがあります。
セラミックの寿命は使い方などによって変わってきますが、一般的には10~15年程度と言われています。
保険診療の銀歯は3~5年、レジンは2~3年が寿命であるため、セラミックの寿命がいかに長いかがわかります。
しかし、上記の数字はあくまで平均です。
セラミック治療を受けた後、自宅でのセルフケアを徹底し、なおかつ歯科クリニックでのメンテナンスを受けなければ、10年も持たない可能性があります。
逆にアフターケアをしっかり行っていれば、装着から15年以上経っても問題なく使用できることが考えられます。
セラミック治療後に行うセルフケアの内容
セラミック治療を受けた後は、以下のようなセルフケアを行う必要があります。
・適切なブラッシング
・フロスやマウスウォッシュを使用する
・食生活を見直す
各項目について詳しく説明します。
適切なブラッシング
セラミック治療後のセルフケアとしてもっとも重要なのは、やはり適切なブラッシングです。
ブラッシングのコツとしては、まずペンを持つときの持ち方にし、力を入れず小刻みに動かすことが挙げられます。
力が入りすぎると歯や歯茎を傷付けるおそれがありますが、ペンを持つときのペングリップという持ち方にすれば、力の加減をコントロールしやすくなります。
また小刻みに動かすことで、歯と歯茎の境目に歯ブラシが当たり、しっかりとセラミックの詰め物や被せ物をケアできます。
さらにセラミック治療後のブラッシングでは、毛先の硬さがやわらかめ~ふつうの歯ブラシを選ぶのもポイントです。
かための歯ブラシを使用すると、歯茎を傷付けてしまうおそれがあります。
ちなみに、歯ブラシは小さめのヘッドを選ぶことでも小回りが利き、セラミックを含むすべての歯を丁寧に磨くことができます。
ヘッドの小さい歯ブラシは奥まで届きやすくなるため、セラミックを装着することの多い奥歯の汚れも落としやすいです。
フロスやマウスウォッシュを使用する
セラミック治療後のセルフケアでは、適切なブラッシングが大事だと言いましたが、よりセルフケアを徹底するのであれば、フロスやマウスウォッシュも使用しましょう。
デンタルフロスや歯間ブラシといったデンタルケアグッズでは、歯ブラシだけでは取り切れない歯と歯の間の食べカス、プラークなどを除去できます。
これらを1日1回使用すれば、ブラッシングの効率は大幅にアップします。
また抗菌作用のあるマウスウォッシュもあわせて使用すれば、口腔内の細菌を減らし、歯茎の健康を保つことができます。
しっかりブラッシングを行っても、磨き残しが多ければ意味がありません。
そのままの状態を放置していると、口内が不衛生な状態になり、セラミックの下で二次虫歯を発症するリスクが高まります。
食生活を見直す
セラミック治療後のセルフケアでは、歯の清掃を行うだけでなく、食生活を見直すことも大切です。
まず治療直後の食事については、3時間程度経過するまで摂取しないようにしましょう。
こちらの段階では、まだ麻酔によるしびれが残っています。
麻酔を使用せずに詰め物や被せ物をした場合は、使用されたセメントが固まるまで約30分は食事を避けましょう。
そうしなければ、治療した部分を安定させ、持続性を高めることができません。
特にせんべいやナッツ類などの硬い食べ物については、セメントに悪影響を与える可能性が高いです。
また食事が摂取できるようになったからといって、何も気にせず食事をして良いというわけではありません。
セラミック治療後の食事では、まず酸性の強い柑橘類や酢、炭酸飲料などを控えるべきです。
酸性食品は歯を溶かす原因になり、セラミックの寿命も縮めてしまいます。
その他、砂糖の摂取もなるべく控えることをおすすめします。
こちらはセラミックに限ったことではありませんが、砂糖は虫歯の原因になりやすいからです。
ちなみに摂取した方が良い食品としては、乳製品や魚類、緑黄色野菜などが挙げられます。
これらの食品には、歯や骨の健康を保つカルシウム、ビタミンDなどの栄養素が豊富に含まれています。
まとめ
セラミック治療後のアフターケアとして、自宅で行うセルフケアは欠かせません。
どれだけまめに歯科クリニックに通っていても、ブラッシングや食生活の改善を意識しなければ、寿命を延ばすのは難しいです。
またセルフケアを怠るとセラミックの破損などが起きてしまい、治療をやり直さなければいけないこともあるため、注意が必要です。
セラミック治療は自由診療であり、再治療の際は費用負担が大きくなります。