セラミック治療は審美歯科治療の一つであり、大きな虫歯を除去した後の歯をキレイに仕上げるために、セラミック素材のインレーやクラウンを装着します。
こちらは非常に人気のある治療ですが、実はすべての方に向いているわけではありません。
今回は、セラミック治療に向いていない方の特徴を解説します。
セラミック治療に向いていない人の特徴6選
以下に当てはまる方は、セラミック治療を受けるのにはあまり向いていないと言えます。
・歯ぎしりや食いしばりがある
・術後のメンテナンスに通える自信がない
・歯周病が進んでいる
・なるべく費用を抑えたい
・あまり歯を削りたくない
・今後ホワイトニングを受ける予定がある
各項目について詳しく説明します。
歯ぎしりや食いしばりがある
歯ぎしりや食いしばりがある方は、セラミック治療をあまりおすすめできません。
なぜなら、歯ぎしりや食いしばりにより、セラミックが割れるリスクがあるからです。
セラミックは、審美性や清掃性などについては非常に優れていますが、強度が著しく高いわけではありません。
衝撃には弱く、装着している状態で強い力が加わると、割れてしまう可能性があります。
特に歯ぎしりや食いしばりがある方は、日常的にセラミックに対して負荷をかけているため、セラミックが耐え切れず割れてしまうことが考えられます。
術後のメンテナンスに通える自信がない
術後のメンテナンスに通える自信がない方も、セラミック治療には向いていないと言えます。
メンテナンスを受けなければ、二次虫歯や治療をやり直すリスクが高まるからです。
セラミックは表面がツルツルであり、天然歯と比べてプラークが付着しにくいです。
しかし、プラークが付着しにくいからといって、一切虫歯のリスクがないわけではありません。
治療後には歯科クリニックに通い、施術箇所のクリーニングを行わなければ、二次虫歯を発生するリスクが高まります。
そのため、メンテナンスに通える自信がない方は、最初からセラミック治療を受けない方が良いと言えます。
歯周病が進んでいる
歯周病の症状がある程度進行している方も、セラミック治療はおすすめできません。
こちらは、シンプルに治療をするのが難しいことが理由です。
歯周病を発症している方は、歯茎の腫れや炎症などの症状を伴いますが、中程度~重度にまで進行すると、今にも歯が脱落しそうな状態になります。
セラミック治療は他のインレーなどと比べて歯を削る部分が多いため、歯周病で歯がグラグラになっている場合、なかなか安全に治療を終わらせるのは難しいです。
なるべく費用を抑えたい
なるべく費用を抑えたいという方も、セラミック治療はあまり向いていないと言えます。
ほとんどのセラミック治療は、保険が適用されない自由診療です。
そのため、費用は高額になる可能性が高いです。
セラミックの種類や大きさにもよりますが、一般的にインレーは40,000~80,000円、クラウンは80,000~180,000円くらいが相場とされています。
ちなみに、セラミック治療では保険診療のハイブリッドセラミックなども使用できますが、こちらは適用部位が限られています。
あまり歯を削りたくない
セラミック治療は歯を削る量が多い治療であるため、あまり歯を削りたくないという方には向いていません。
セラミック治療で多く歯を削る理由は、セラミックを割れにくくするために、厚みを確保する必要があるからです。
場合によっては、神経の近くまで歯を削ることもあります。
また、歯を削る量が多ければ多いほど、歯の寿命は短くなります。
つまり、セラミック治療は審美性に優れているものの、天然歯の機能を維持するという意味ではリスクが高いということです。
ちなみに虫歯の範囲が狭く、少し削るだけで治せるようなケースでは、セラミックよりもコンポレットレジンの方が適しています。
コンポレットレジンであれば、削った箇所に直接充填し、光で固めることができます。
今後ホワイトニングを受ける予定がある
今後ホワイトニングを受ける予定がある方も、セラミック治療は受けるべきではありません。
なぜなら、セラミックの部分はホワイトニングで白くすることができないからです。
ホワイトニングの効果があるのは、あくまで天然歯のみです。
先にセラミック治療を受けてしまうと、他の天然歯がすべて白くなり、セラミックの部分だけが浮いてしまいます。
そのためもしこれらの治療を受けるのであれば、先にホワイトニングを行い、天然歯全体の色を整えましょう。
その後、天然歯の色に合わせたセラミックを装着すれば、セラミックの部分だけ浮いてしまうことはありません。
まとめ
セラミック治療は比較的新しい治療であるため、注意点を理解せずに治療してしまう方も少なくありません。
そのような状態で治療を受けると、治療後思わぬトラブルが発生したり、思うような効果が現れなかったりすることがあります。
もちろん、治療をおすすめできない場合は歯科医師から説明がありますが、患者さん自身が知識を持っておくことも大切です。