セラミック治療は、欠けた歯や亀裂の入った歯などの詰め物・被せ物にセラミックを使用する治療です。
一般的な補綴物と比べて、審美性や耐久性などに優れています。
しかし、セラミック治療後には、時折治療箇所に痛みが生じることがあります。
今回は、こちらの痛みの主な原因について解説します。
セラミック治療後の痛みの原因7選
セラミック治療を受ければ、見た目の良さや機能性に優れた補綴物が手に入りますが、以下の原因によって痛みが生じることもあります。
・神経が過敏になっている
・噛み合わせが合っていない
・根の中に細菌が残っている
・二次虫歯ができている
・セラミックが破損している
・知覚過敏になっている
・強い負担がかかっている
各項目について詳しく説明します。
神経が過敏になっている
セラミック治療後に歯が痛む場合、神経が過敏になっている可能性が高いです。
こちらは、歯を削るときに使用するドリルの振動や熱により、一時的に神経が過敏になってしまうというものです。
そのため、セラミック治療直後に歯が痛いと感じることは珍しくありません。
少し時間が経過すれば、すぐに落ち着きます。
ただし、どれだけ経っても痛みが引かないという場合は、一度歯科クリニックに相談することをおすすめします。
噛み合わせが合っていない
セラミック治療後の痛みは、噛み合わせが合っていないことでも起こり得ます。
ここでいう噛み合わせとは、セラミック治療を施した歯と天然歯との噛み合わせを指しています。
天然歯は加齢とともに劣化しますが、セラミックは耐久性が高いため、適切に手入れをしていれば大きくは劣化しません。
劣化しにくいこと自体はセラミックのメリットですが、噛み合う天然歯と消耗具合が変わることにより、次第に噛み合わせが悪くなることがあります。
また噛み合わせが合っていない場合、セラミックの部分のみに負担が集中し、ダメージが蓄積されて痛みが出るおそれがあります。
根の中に細菌が残っている
根の中に細菌が残っている場合も、セラミック治療後に痛みが出る可能性があります。
セラミックは、神経まで達している虫歯を治療した後、補綴物として装着されることがあります。
このとき、通常は根管治療によって根の中をキレイにしてからセラミックを被せますが、稀にしっかりと細菌を除去できていないことがあります。
すると、根の先に膿の袋ができ、噛んだときに鈍い痛みを感じることが考えられます。
ちなみに、日本における根管治療の成功率は決して高くありません。
そのため、技術の高い歯科医師のもとで根管治療を受けたとしても、神経をすべて除去できない可能性は十分にあります。
二次虫歯ができている
セラミック治療をしてからしばらく経ったタイミングで痛みが出た場合、二次虫歯ができていることが考えられます。
二次虫歯は、虫歯を治療した歯で再発する虫歯であり、最初の治療時における洗浄やセラミックの装着が不十分だった場合に起こりやすいです。
またセラミック治療自体に問題がなかったとしても、使い方が不適切だと二次虫歯のリスクは高まります。
例えば被せ物が割れてしまったり、欠けてしまったりすると、汚れが溜まりやすくなって二次虫歯を発症しやすくなります。
セラミックが破損している
セラミック治療後の痛みは、セラミックの破損が原因となっている可能性もあります。
セラミックは耐久性の高い素材ですが、金属の詰め物に比べると衝撃には弱いです。
そのため、硬い食べ物を頻繁に口にする方などは、割れてしまう可能性が高くなります。
また、破損した状態のセラミックをそのまま使い続けていると、痛んだりしみたりする原因になります。
知覚過敏になっている
セラミック治療後に生じる痛みの原因としては、知覚過敏も挙げられます。
知覚過敏は、歯周病などによって歯茎が後退し、根の先に近い象牙質が露出することで起こります。
冷たいものや熱いものを飲食すると、刺激によって歯がしみたり、痛んだりするのが特徴です。
また、セラミック治療自体が直接的な原因ではないものの、セラミック治療をした歯の歯茎が後退し、象牙質が露出することがあります。
そうすると、結果的に知覚過敏を引き起こして痛みが出ます。
強い負担がかかっている
セラミック治療を施した歯に強い負担がかかっていることも、痛みにつながる理由です。
ここでいう負担とは、主に歯ぎしりや食いしばりによる負担を指しています。
主に就寝中に見られる歯ぎしりや食いしばりは、歯や顎に200～300kgもの力をかけていると言われています。
これほどの力が慢性的にかかると、当然セラミックには負担がかかります。
まとめ
セラミック治療を受けた直後は、神経が過敏になることで痛みが生じやすいため、一旦経過観察を行いましょう。
しかし1ヶ月経っても2ヶ月経っても痛みがある場合は、トラブルの可能性が高いため、早急に歯科クリニックを訪れるべきです。
また、セラミックを装着してからしばらく経った後、急に痛みが顕著になった場合も注意が必要です。
