虫歯治療で装着するクラウンやインレーなどの補綴物にはいくつかの種類があり、その中でもセラミックは特に人気があります。
セラミックは自由診療であるため、費用が高額になりますが、医療費控除の対象にはなるのでしょうか?
セラミック治療が医療費控除の対象になるのか、解説します。
医療費控除とは?
虫歯の治療をした時、歯を削って穴が開いたところにインレーやクラウンなどの補綴物を装着し、穴を塞ぎます。
補綴物にはさまざまな素材がありますが、保険が適用されて治療費が安い銀歯を使用するケースが多いでしょう。
しかし、銀歯は使っているうちに錆びたり、変形したりすることが多い点がデメリットです。
また、歯との適合が悪いために隙間ができ、虫歯が再発しやすいこともデメリットといえます。
銀歯の欠点を避けたいという人におすすめするのが、セラミックです。
金属を一切使用していないセラミックは、金属アレルギーでも安心して使用できます。
歯との適合がいいので、隙間ができにくく虫歯の再発を防ぐことができるというメリットもあります。
また、審美性の高さもメリットの一つです。
天然歯に近い色調にできるため、周囲の歯と比べても違和感がありません。
長く使用でき、再治療を受ける必要が少ないというメリットもあります。
セラミック治療とは、虫歯治療の補綴物にセラミック素材を使用することをいいます。
メリットが多く、銀歯からセラミックに変える人も少なくありません。
ただし、自由診療なので保険が適用されず、治療費が高くなる点がデメリットです。
セラミック治療にかかる費用は医療費控除の対象となるため、少しでも負担を少なくしたいという方は医療費控除を申請しましょう。
医療費控除は、確定申告をする際に行います。
医療費控除の対象になるのは、毎年1月1日から12月31日までの間に支払った医療費です。
対象期間を自分で変えることはできません。
対象となる金額は、1年間の医療費の合計が10万円を超えている場合です。
しかし、収入によっては合計で10万円を超えていなくても、医療費控除を受けられるケースがあります。
対象となる期間の年間の総所得が200万円以上の場合は10万円以上で控除を受けられますが、200万円以下であれば所得の5%を超えた場合に控除を受けることが可能です。
医療費が同じでも、総所得が180万円だった場合には、35万円-180万円×5%=26万円の控除となります。
注意しなければならないのは、医療費控除を認められた場合は控除される金額が全額戻ってくるのではなく、所得から差し引いて計算するということです。
医療費控除が受けられるケースは?
医療費控除は、医療費が高額であれば必ず受けられるというわけではありません。
必要な治療ではないと判断されれば、対象にはならないので注意が必要です。
例えば、美容整形などは自分が希望して受けるものなので、医療費控除の対象にはなりません。
対象となる治療は、基本的に保険診療に含まれる治療です。
保険が適用されず治療費が全額自己負担となる自由診療の治療は、認められないことも多いでしょう。
しかし、セラミック治療は保険が適用されないものの、医療費控除の対象になっています。
せっかくなので、しっかりと申告しましょう。
病院に行くときに公共交通機関を使用している場合は、治療費だけではなく公共交通機関の交通費も控除対象に含まれます。
自家用車を利用していた場合、ガソリン代などは控除に含まれません。
交通費を申請する場合は、領収書があると分かりやすいです。
しかし、バスや電車では領収書が出ないケースもあります。
領収書がなくても、診察日と交通費をメモしておくことで、申請することが可能です。
歯の治療には、他にも高額なものがあります。
医療費控除の対象になるかどうかは、治療を受けている人の割合の多さである程度決まります。
自由診療でも、多くの人が治療を受けている場合には対象に含まれることが多いのです。
医療費控除を申請する場合、まずは治療内容が必要なものかどうかを客観的に判断する必要があります。
健康保険組合から発行された医療費のお知らせを見て金額を確認し、対象になるかを確認してみましょう。
申告する医療費が10万円か所得の5%のどちらか低い方を超えていた場合は、納付した所得税の一部が還付されます。
申告する時は、自分だけではなく家族の分も合計してください。
問題がなければ、いくつかある申告方法の中から1つを選び、期間内に申告しましょう。
確定申告ができる期間は限られていて、2月半ばから3月半ばまでの1カ月間です。
対象となるのは、前年1月1日から12月31日までの期間となっています。
まとめ
セラミック治療は保険が適用されない自由診療の治療です。
したがって、治療費は全額自己負担となりますが、基本的に年間の医療費が10万円を超える場合は医療費控除を受けることができます。
医療費控除は、税金を計算する際に所得から控除分を差し引いて計算できる制度なので、税金が安くなります。
控除を受けるには申告が必要なので、忘れずに確定申告をしてください。