セラミック治療にかかる費用は高額なので、できるだけ負担を少なくしたいという人もいるでしょう。
費用を軽減するための方法として、医療費控除があります。
控除を受けるには申告が必要ですが、どのように行えばいいのでしょうか?
申告方法と注意点について、解説します。
医療費控除の申請方法
医療費控除は、e-taxか郵送、直接税務署での申請が可能です。
e-taxなら、忙しい人であっても自宅で確定申告ができます。
タブレットやスマートフォンで、給与所得や雑所得などの申告をすることが可能です。
申告する際は、マイナンバーとID/パスワード発行、郵送のいずれかの方法を選択できます。
選択した方法によって準備するものが異なるため、事前にきちんと確認しておきましょう。
たとえば、ID/パスワード発行とは、税務署からIDとパスワードを発行してもらい、申請する方法です。
パソコンやタブレットでIDとパスワードを入力してログインすることで、申請できます。
直接行かなくても、Webから手続きをして発行することも可能です。
郵送の場合は、必要書類を事前に準備して、必要事項を記入した書類を送付することになります。
申告時期になると税務署の窓口は混み合う可能性が高く、平日にはなかなか行けないという人におすすめの方法です。
郵送はe-taxと違い、事前準備の必要はありません。
書類があれば、必要事項を記入するだけです。
デジタルでの申告が苦手な人に、おすすめの方法です。
しかし、申請には締め切りがあるため、時間がない場合は書類に不備があると、間に合わなくなることもあるでしょう。
直接窓口に持参している場合は、提出前に修正することもできますが、郵送の場合は再送するか税務署に直接行って修正しなければなりません。
税務署には、申請の方法がよくわからないという人や書類不備などを修正するための、相談コーナーがあります。
相談したうえで申告するのが、最も確実に申告する方法といえるでしょう。
確定申告の時期になると、税務署の窓口はかなり混雑します。
税務署まで移動するのに時間がかかるという人もいるでしょう。
窓口が開いている時間は限られているため、平日に仕事がある人は休暇を取って提出しに行かなければなりません。
医療費控除の申請には、医療費がわかる領収書などが必要になります。
まとめるのは大変ですが、国税庁のホームページにある「医療費集計ホーム」を利用すると簡単にまとめることが可能です。
領収書の枚数が多い場合は、一度試してみてください。
医療費控除を受ける際の注意点
セラミック治療で医療費控除を受ける際は、どのような点に注意すればいいのでしょうか?
いくつかの注意点について、解説します。
まず、申告する際は歯科医院の領収書を全て保管しておく必要があります。
また、歯科医院以外の病院の治療費も合算して申告できるため、風邪の治療のために行った時の領収書なども保管しておきましょう。
歯科医院や病院に行くたびに、領収書をファイルに入れて保管しておくことをおすすめします。
後から慌てないように、保管場所をきちんと決めておきましょう。
なお、医療費控除は5年間まではさかのぼって申告することができます。
医療費控除を申告し忘れていたという場合は、一緒に申告してしまいましょう。
医療費控除の対象となるのは家族一人一人の医療費ではなく、世帯全体の医療費です。
誰か1人の医療費が5万円、残りの家族のうち二人が3万円ずつ支払っていた場合は、医療費が合計11万円となるため、医療費控除が受けられます。
また、セラミック治療は医療費控除の対象にはなりますが、審美目的での治療は対象に含まれません。
たとえば、虫歯の治療をするときに選択した場合は対象となります。
しかし、最初に銀歯を着けて後からセラミック製のクラウンに変更した場合などは、対象にならないこともあるため、注意が必要です。
セラミック治療は審美性が高い点がメリットであるため、多くのケースで審美目的の治療ではないかと疑われるでしょう。
審美目的という点は避けられませんが、主目的は異なるという点をアピールする必要が出てくるかもしれません。
心配な場合は、事前に治療を受ける歯科医院で、セラミック治療が医療費控除の対象になるかどうか確認しておきましょう。
治療内容によって異なるので、歯科医に確認するのが最も確実です。
セラミック治療は保険診療にはなりませんが、医療費控除の申請をすることで数万円、場合によってはさらに大きな金額が還付されることとなります。
所得によって還付される額は異なるので、正確な金額はわかりません。
還付金額は基本的に、医療費控除対象額(最大200万円)×所得税率(5~45%)で計算されます。
まとめ
セラミック治療は、審美目的で行う場合を除き、医療費控除の対象になります。
申告にはいくつかの方法があるので、自分にとってやりやすい方法を選び、期限内に申告してください。
また、医療費控除の申告をする際は、公共交通機関の交通費も忘れずに申告しましょう。
医療費控除は原則10万円以上必要ですが、家族全員の医療費の合計で問題ありません。
セラミック治療の他にも医療費がある場合には、忘れずに申告してください。