虫歯治療後の歯をより美しくしたい方、二次虫歯のリスクを減らしたい方などにおすすめなのがセラミック治療です。
しかしネット上には、「セラミック治療はやめた方が良い」という文言が散見されます。
今回はなぜそのような意見があるのか、果たしてその意見は本当なのかについて解説します。
セラミック治療はやめた方が良いと言われる理由7選
ネット上で「セラミック治療はNG」という意見がよく見られる理由としては、主に以下のことが挙げられます。
・自由診療だから
・割れるリスクがあるから
・歯の切削量が多いから
・天然歯と着色のスピードに差があるから
・噛み合わせの問題を考慮しなければいけないから
・何度も通院しなければいけないから
・メンテナンスを受ける必要があるから
それぞれ本当なのかどうかを解説します。
自由診療だから
セラミック治療は保険が適用されない自由診療であり、金額が高額になりやすいです。
こちらが「やめた方が良い」という意見につながっていることが考えられます。
確かにセラミック治療は自由診療ですが、金額が高いかどうかは患者さんの感じ方次第です。
冒頭でも触れた通り、審美性や機能性の高さは保険診療の補綴物よりも高いです。
そのため、単純な金額は高いものの、コストパフォーマンスという意味では悪くないと言えます。
割れるリスクがあるから
セラミックは、装着後に強い衝撃などを受けると割れてしまうことがあり、「やめた方が良い」という意見の方はこちらを懸念している可能性があります。
セラミックは石に近い材質であり、硬さや曲げ伸ばしの耐久性が低いため、割れてしまうリスクはゼロではありません。
しかしよほど強い力がかからない限り、そう簡単に割れることはないため、安心してください。
また歯ぎしりや食いしばりなどの症状を前もって改善していれば、セラミックが破損するリスクはかなり軽減できます。
歯の切削量が多いから
セラミックは素材の耐久性を上げるために、ある程度歯を削らなければ装着できません。
こちらも「やめた方が良い」と言われるゆえんですが、前述の通り割れるリスクを取ってまで薄くする方がよっぽど危険だと言えます。
もちろん、歯の寿命を長くするには切削量を減らすに越したことはありませんが、セラミックそのものの機能性をアップさせるためには必要な処置だと言えます。
天然歯と着色のスピードに差があるから
セラミックは限りなく天然歯に近い色に仕上げるため、治療後の歯の色にはそれほど違和感がありません。
しかし、セラミックと天然歯との着色のスピードには差があるため、時間が経つとどうしても色味が違って見えることがあります。
このように見た目の問題が出るため、セラミック治療をおすすめしない方もいるようですが、実際は色味に違和感が出てもホワイトニングである程度改善できます。
具体的には、セラミックの色に合わせて着色した天然歯をホワイトニングすれば、再び違和感のない歯列が出来上がります。
噛み合わせの問題を考慮しなければいけないから
患者さんによっては、セラミック治療を受ける前に噛み合わせの調整を行わなければいけないこともあります。
こちらが面倒なことから、「セラミック治療はやめた方が良い」と考える方もいます。
しかし、噛み合わせを調整しないままセラミック治療を受けてしまうと、セラミックの歯が本来の機能である咀嚼に適さなくなる可能性があります。
そのため、歯を削る処置と同様に、こちらの処置は決して無駄ではありません。
何度も通院しなければいけないから
セラミック治療の施術は、1回の通院で終わるわけではありません。
歯1本につき、2~3週間はかかるため、少なくとも2~3回は通院する必要があります。
何度も通院しなければいけないことから、「セラミック治療はNG」と考える方もいますが、通常の詰め物や被せ物でも同じくらいの治療期間は必要です。
つまり、セラミック治療にしたからといって、特別通院の回数が増えるわけではないということです。
また抜歯を伴うほど大きな虫歯の治療を行う場合、インプラントが採用されることもありますが、こちらはセラミック治療よりもかなり通院回数は多いです。
そのため、セラミック治療は精度が高いわりに、通院回数が少ない治療だと言えます。
メンテナンスを受ける必要があるから
セラミック治療を受けた後は、劣化や二次虫歯などの状況を確認するため、定期的に歯科クリニックを訪れなければいけません。
「セラミック治療はやめた方が良い」という意見を持つ方は、こちらが億劫に感じているかもしれませんが、そもそも定期検診はいつでも受けなければいけないものです。
つまりセラミック治療を受けたことで、メンテナンスに行く手間が増えるわけではないということです。
まとめ
たとえ精度の高い歯科治療であっても、完璧な治療などこの世には存在しません。
一般的に人気があり、メリットが大きいと言われる治療でも、少なからず一長一短はあるものです。
セラミック治療も当然その一つであり、「やめた方が良い」と言われる理由はありますが、決しておすすめできない治療ではありません。
むしろ金銭的な余裕がある場合、積極的に検討すべきだと言えます。