オールセラミックは、数あるセラミック素材の中でも非常に審美性が高いです。
天然歯のような白さと透明感、ツヤが特徴であり、自然な仕上がりを実現できます。
しかし、オールセラミックを装着した後、口臭に悩まされるというケースがあります。
今回は、オールセラミックで口臭が発生する原因を中心に解説します。
オールセラミックは口臭のリスクが低い
オールセラミックは、本来口臭のリスクが低いセラミック素材です。
なぜなら、プラークを寄せ付けにくい性質を持っているからです。
口臭はさまざまな原因で発生しますが、主な原因はやはり口内に蓄積したプラークです。
プラークに含まれる細菌は、硫化水素やメチルメルカプタンといったニオイの強いガスを産生します。
オールセラミックの表面はなめらかであり、非常に硬いため、口臭の原因の一つであるプラークが付着しにくいです。
オールセラミックで口臭が発生する原因5選
オールセラミックは口臭のリスクが低い素材ですが、残念ながら口臭が出る可能性はゼロではありません。
オールセラミックの治療後、口臭がきつくなったもしくは口臭を指摘されやすくなったという場合、以下の原因が考えられます。
・オールセラミックと歯茎の間にプラークが溜まっている
・二次虫歯になっている
・素材が合っていない
・歯周病になっている
・接着剤が劣化している
各項目について詳しく説明します。
オールセラミックと歯茎の間にプラークが溜まっている
オールセラミックを装着して口臭がひどくなったという場合、セラミックと歯茎の間にプラークが溜まっている可能性があります。
どれだけ精密な治療を行っても、セラミックと歯茎の間にはある程度境目ができてしまいます。
こちらの箇所にプラークが溜まると、徐々に口臭のもととなるガスを発するようになります。
またセラミックと歯茎の間は、意識してブラッシングをしないとなかなか汚れが落ちません。
そのため、治療後は定期的に歯科クリニックに通い、セルフケアだけでは落としきれない汚れを落としてもらうことが大切です。
二次虫歯になっている
オールセラミックで口臭が発生する場合、二次虫歯を引き起こしている可能性もあります。
オールセラミックはプラークが付着しにくいため、虫歯が再発する二次虫歯のリスクも低いです。
しかし、ブラッシングなどのセルフケアを怠っていると、セラミックと歯茎のわずかな隙間から虫歯菌が侵入し、二次虫歯を引き起こします。
また二次虫歯を発症すると、セラミックの内側から口臭のもとを発生させるため、非常に厄介です。
通常の虫歯と違って症状が目に見えないため、気付いた頃には重症化しているというケースも多いです。
素材が合っていない
オールセラミックで口臭が発生する場合、そもそも装着しているセラミックが合っていない可能性もあります。
セラミック治療では、虫歯になってしまった歯の一部を削り、その削った部分を補うためにセラミックを装着します。
しかし治療の不具合などにより、歯とセラミックがしっかりフィットしていないと、大きな段差や隙間が生じてしまいます。
このような状態だと、当然プラークや細菌は溜まりやすくなるため、口臭のリスクも高まります。
歯周病になっている
歯周病にかかっていることも、オールセラミックで口臭が発生する原因の一つです。
歯周病が進行すると、歯肉の炎症や腫れを引き起こしますが、さらに悪化すると炎症した歯茎から膿が出て不快なニオイを発します。
こちらが口から発せられることにより、ひどい口臭になってしまいます。
歯周病も二次虫歯と同じく最初は症状が出にくいため、きちんと予防しなければいけません。
また歯周病が原因で口臭が発生している場合、症状は中程度~重度にまで進行していることが予想されます。
接着剤が劣化している
オールセラミックの口臭における原因としては、接着剤が劣化していることも挙げられます。
オールセラミックは、ほとんど劣化が見られないセラミック素材として有名ですが、長年使用していると歯とセラミックをつなぐ接着剤が外れてしまうことがあります。
接着剤が一部劣化すると、隙間から水分が侵入し、内部で細菌が繁殖してニオイの原因になることがあります。
ハイブリッドセラミックはさらに口臭のリスクが高い
オールセラミックやジルコニアセラミックなどはほとんど経年劣化することがありませんが、ハイブリッドセラミックは経年劣化がしやすいです。
そのため、口臭のリスクも高くなります。
ハイブリッドセラミックは、セラミックとレジンを混ぜ合わせてつくっているため、吸水しやすくプラークも付着しやすいという特徴があります。
まとめ
オールセラミックは本来口臭のリスクが低く、口臭を改善することを目的にこちらの素材を選ぶ方もいるくらいです。
しかし口内には無数の細菌が存在しますし、食べカスやプラークもゼロにはできないため、口臭のリスクも排除することはできません。
それでも汚れが付きにくいことは事実であるため、しっかりとセルフケアや定期検診を行っていれば、他のセラミック素材よりは圧倒的に口臭を防ぎやすいです。