ラミネートベニヤとは歯を白くする治療方法の1つですが、治療内容を知らない人は少なくないでしょう。
ラミネートベニヤは、どのようにして歯を白くする治療方法なのでしょうか?
ラミネートベニヤの特徴を解説します。
ラミネートベニヤのメリット
ラミネートベニヤは、前歯にだけ適用される治療方法です。
歯を白くする方法としてだけでなく、矯正治療の代わりとして採用されることもあります。
ラミネートベニヤには治療にかかる時間が短いというメリットがあります。
歯並びを治すための矯正治療の場合は年単位で時間がかかりますが、ラミネートベニヤは通院が3~4回、治療期間はラミネートベニヤの作製期間を含めても1~2カ月程度です。
また、矯正治療の場合は歯を動かす必要があるため少なからず痛みがありますが、ラミネートベニヤは歯の表面を少し削るだけなので、痛みがほとんどありません。
歯を削りたくない人向けに、削らないラミネートベニヤの治療を扱う歯科医院もあります。
ラミネートベニヤの場合、歯を削る量はわずかです。
虫歯治療のように大きく削る必要もないため、歯の寿命を縮めることなく健康を保てます。
ラミネートベニヤで使用する素材は、セラミック等が主です。
金属を使用しないため、金属アレルギーの方でも安心して治療を受けられます。
さらに、ラミネートベニヤの色は調整可能です。
周囲の歯と色調を合わせられるため、神経を抜いて色が変わった失活歯も、他の歯と同じ色にできます。
そのため、治療したことがわかりにくい点がメリットです。
ラミネートベニヤのデメリット
ラミネートベニヤのデメリットとして挙げられるのは、保険が適用されない点です。
治療費は自己負担になるため、保険診療と比べると高額になるでしょう。
わずかとはいえ健康な歯を削ることになる点もデメリットといえます。
ラミネートベニヤは取れることがあり、その場合には治療を受け直さなければなりません。
また、ラミネートベニヤでの治療に向いていないケースもあります。
失活歯の中でも変色の度合いが強く中の色が透けて見えている場合や、コンポジットレジンによって広い範囲で修復している場合、咬合力が強かったり歯ぎしりを頻繁にしていたりする場合は、ラミネートベニヤでの治療は不向きです。
ラミネートベニヤは歯の形をある程度変えられますが、大幅に変えられるわけではありません。
大幅に形を変えようとすると、セラミックが欠けたり割れたりすることがあります。
そのため、どのくらいの範囲を変えたいのか歯科医師によく相談しましょう。
ラミネートにはいくつかの種類がありますが、極薄のものは不透明な仕上がりになることもあるため、注意が必要です。
また、大きな虫歯がある場合や、虫歯の治療をしている歯がある場合は、ラミネートベニヤを貼り付けられないケースもあります。
ラミネートベニヤが向いている方は?
ラミネートベニヤは、歯を白くするために健康な歯を削らなくてはなりません。
よって、ホワイトニングで白くできるような歯の汚れに悩んでいる人には不向きです。
ラミネートベニヤが向いているのは、ホワイトニングではきれいに白くできない歯に悩んでいる場合です。
例えば、著色の度合いが強いテトラサイクリン歯や、歯の一部に白い斑点ができるケースは、ホワイトニングでは白くなりません。
このような場合、ラミネートベニヤであれば歯を白くできます。
ラミネートベニヤは歯を直接白くするわけではないので、どのような歯でも白くできるのです。
また、十分にエナメル質が形成されないエナメル形成不全によって変色したり、欠けやすくなっていたりする場合にも、ラミネートベニヤが向いています。
ホワイトニングとは違い、エナメル質がなくても白い歯にできるのです。
前歯が欠けていたり、歯が小さかったり、あるいは歯の間に隙間ができていたりする場合も、ラミネートベニヤがおすすめです。
歯を白くするのと同時に、隙間を埋めたり歯の大きさを調整したりすることができます。
歯並びがガタガタしている場合は、矯正治療できれいな歯並びにできます。
ただし、少しだけずれているという場合には、ラミネートベニヤによってきれいな歯並びにすることも可能です。
ラミネートベニヤの治療を考えている人にとっては、費用も重要なポイントといえるでしょう。
治療内容によって多少前後しますが、1本あたりおおよそ5万円から15万円かかります。
費用が異なるのは、ラミネートベニヤの素材の違いによるものです。
具体的な費用については、歯科医院で診察を受けたうえで確認してください。
歯に隙間があるか、ある場合にはどのくらいの幅なのかという点でも費用は異なります。
費用を聞いてから、治療を受けるかどうか決めても問題ありません。
まとめ
ラミネートベニヤは、歯の表面に白いセラミック製のチップを装着することで歯を白くする治療です。
歯を直接白くするわけではないため、歯の変色の原因を問わず、白くできます。
ただし、ラミネートベニヤをつける際は健康な歯を削る必要があるため、注意してください。
ホワイトニングでは十分な効果が得られない場合や、歯並びが多少悪いという方に向いています。