虫歯の治療をした際、削った歯には銀歯などを装着します。
しかし、「銀歯は目立つから嫌だ」という人は少なくありません。
目立たず、自然な仕上がりを求める方におすすめするのが、セラミック治療です。
セラミック治療には、どのようなメリットがあるのでしょうか？
主なメリットについて、解説します。
セラミック治療の審美性のメリット
セラミック治療を選択する理由として多いのが、審美性のメリットです。
セラミックの審美性の高さは見た目にも分かりやすいため、理解しやすいでしょう。
具体的には、どのような点で審美性が高いのでしょうか？
そもそも歯は、基本的に白っぽい色をしています。
人によって黄ばみや着色汚れなどがついていることもありますが、ほとんどの人は歯が何色かと聞かれた時に白と答えるでしょう。
しかし、虫歯の治療をした際に空いた穴には、基本的に銀色の詰めものや被せものを着けます。
銀歯とも呼ばれ、金銀パラジウム合金でできています。
白い歯の中に銀色の被せものを着けた歯があると、口を開けた時にどうしても目立ってしまうでしょう。
目立つのが嫌で治療を避けたい人や、装着後に大きく口を開けるのをためらう人もいます。
また、銀歯が見えないように、口を開ける時に口元を手で隠す人も少なくありません。
一部の歯には銀歯ではなく、コンポジットレジンを使用するケースもあります。
コンポジットレジンは歯科用プラスチックのレジンを固めたもので、見た目が白いため、銀歯ほど目立つことはありません。
しかし、コンポジットレジンは単調な白さなので、周囲の歯と比べた時にやや不自然です。
歯は単に白いだけではなく色調があるため、コンポジットレジンの単調な白さが悪目立ちしてしまうのです。
セラミックで歯の被せものを作製する場合には、周囲の歯の色調と合わせて作れます。
周囲と調和する色合いにして、目立ちにくくできるのです。
単に白いだけではなく透明感があり、白さの中にも艶があるため、作り物には見えません。
ゆえに、虫歯の治療をしたことが気づかれにくいのです。
白さと安定した品質を長期間維持できるため、長く使用できます。
セラミック治療の機能性のメリット
前述したとおり、セラミックは銀歯よりも審美性に優れていますが、それ以外に機能性にも強みがあります。
単に削ったところを埋めて歯の代わりにするだけなら、銀歯でも問題ありません。
しかし、セラミックは銀歯よりも機能性に優れ、虫歯が再発しにくいという利点があります。
一度虫歯の治療を終えた歯が、もう一度虫歯になることはあります。
被せものなどの中で虫歯が進行していき、神経が除去されていると痛みを感じにくくなるため、発見された時に相当悪化していることも珍しくありません。
虫歯が再発するのは、治療箇所に付けた被せものの変形や破損が原因です。
セラミックの場合は変形せず、歯にぴったりと合うように作られているため基本的に隙間はありません。
隙間があった場合には、接着剤で埋められます。
実は、装着したばかりの銀歯には隙間がほとんどありません。
しかし、時間が経つにつれて徐々に歪み、隙間ができてしまいます。
特に、銀歯は変形しやすいため、隙間がよく発生します。
変形・破損による隙間から虫歯の原因菌が侵入した結果、虫歯が再発してしまうのです。
また、銀歯の場合は使用していくうちに摩耗し、噛む部分に穴が空くこともあります。
空いた穴から唾液や食べかすに交じって虫歯の原因が被せものの中に侵入することにより、虫歯が再発してしまいます。
セラミックの場合は表面がすり減ることがないため、上記のような心配はありません。
また、セラミックの表面は非常に滑らかです。
プラークの特徴として、表面がデコボコした歯に付きやすいという点が挙げられます。
デコボコしているところに食べかすなどが詰まり、プラークに変化するのです。
滑らかな面には食べかすなどが付着しにくいため、プラークも付着しにくくなります。
そのため、セラミックにはプラークが付着しにくいというメリットがあるのです。
プラークは虫歯だけではなく歯周病の原因にもなりますが、セラミック治療であれば、虫歯と歯周病を防げるのです。
さらに、セラミックのメリットとして、長く使えるという点が挙げられます。
銀歯の場合は約５年で変形・破損するといわれていますが、セラミックの場合は10年以上の継続使用が可能です。
摩耗も少ないので、機能を失いにくい点もメリットといえるでしょう。
ほかに、セラミックには金属アレルギーの人も安心して使用できるというメリットがあります。
金属を一切使用していないため、金属アレルギーによるアレルギー反応が起こる心配はありません。
セラミックは陶器製であり、金属などの留め具は含まれません。
上記のように、セラミックにはさまざまなメリットがあります。
具体的なメリットを知り、治療後に装着するのは銀歯にするか、セラミックにするかをよく考えましょう。
まとめ
虫歯治療の際、見た目が自然なセラミック治療を希望する人もいます。
ただ、中には審美性以外のメリットを正確に把握せず希望する人もいるため、メリットの内容をよく理解してから利用することをおすすめします。
治療した箇所を目立たなくしたいという人にもセラミックはおすすめですが、虫歯の再発防止という観点からもおすすめです。
事前によく考えたうえで、どの方法がいいかをよく考えてください。
