セラミックは高価な素材であり、審美性が高く表面の汚れもつきにくいという特徴があります。
オールセラミックであれば、金属アレルギーの心配もありません。
しかし、金属と比べて耐久性は劣っているため、使用している間に割れてしまう可能性があります。
今回は、セラミックが割れる主な原因について解説します。
セラミックが割れる主な原因5選
以下に該当する方は、使用中のセラミックが割れてしまう可能性があります。
・噛み合わせが悪い
・歯ぎしり、食いしばりがある
・硬いものを頻繁に食べる
・メンテナンスをしない
・二次虫歯や歯周病を発症している
各項目について詳しく説明します。
噛み合わせが悪い
噛み合わせが悪い方は、セラミックが割れてしまう可能性が高いです。
こちらは噛み合わせが悪いことにより、常に誤った方向からセラミックに負荷がかかることが理由です。
セラミックは天然歯と真っ直ぐに噛み合っている場合、基本的に割れることはありません。
しかし、斜めなどの角度から噛み合うと、ヒビが入ったり欠けたりすることがあります。
セラミックはお茶碗や湯呑みなどの陶器と同じで硬度は高いものの、強い衝撃が外部から加わると割れやすいです。
つまり噛み合わせが悪いことによって衝撃が強くなり、破損してしまうということです。
歯ぎしり、食いしばりがある
歯ぎしりや食いしばりがある方も、使用中のセラミックが割れる可能性があります。
なぜなら、歯ぎしりや食いしばりでは非常に強い力が発生しているからです。
通常の咀嚼の場合、数kg~30kg程度の力が歯にかかると言われています。
一方歯ぎしりや食いしばりについては、睡眠中の無意識下で起こるため、50~100kgを超える力がかかることも珍しくありません。
特に奥歯は噛む力が強いため、セラミックに継続的な負担がかかると割れやすくなります。
硬いものを頻繁に食べる
セラミックが割れる原因としては、頻繫に硬いものを食べることも挙げられます。
例えば、アーモンドなどのナッツ類やキャンディー、氷などを思い切り噛むと、その勢いでセラミックが欠けることがあります。
またせんべいやおかきなどもセラミックに負担がかかりやすいため、注意して食べなければいけません。
歯ごたえがあるものなど、噛む瞬間の衝撃が少ないものであれば、セラミックでも問題なく咀嚼できます。
一方、上記のものは噛む瞬間の衝撃が強いため、セラミックの歯とは相性が良くありません。
メンテナンスをしない
セラミック治療を受けた後は、定期的に歯科クリニック似通い、噛み合わせの異常や虫歯がないかをチェックしなければいけません。
こちらのメンテナンスを怠ると、セラミックが割れるリスクは高くなります。
なぜなら、メンテナンスを怠ると、噛み合わせが悪くなっている場合にすぐ治療できないからです。
このような状態で噛み続けると、奥歯への負担が蓄積され、あるタイミングで割れてしまう可能性は高まります。
二次虫歯や歯周病を発症している
セラミックは他の補綴物に比べて、二次虫歯が起こりにくい素材です。
なぜなら、天然歯と補綴物との間の隙間や段差が少ないからです。
しかし、必ずしも二次虫歯にならないというわけではなく、発症してしまった場合はセラミックが割れやすくなります。
土台の歯が虫歯になると、セラミックの詰め物や被せ物との適合が悪くなり、グラグラと動揺することがあります。
このような状態のまま咀嚼することは、噛み合わせが悪い状態で咀嚼するのと同じことです。
また歯周病が悪化して歯茎が下がると、歯の根元が虫歯になる根面齲蝕という症状を引き起こすことがあります。
マージンと呼ばれるセラミックの縁にまで根面齲蝕が拡大した場合、セラミックの脱離が起こることも考えられます。
セラミックが割れてしまったらどうする?
もし使用中のセラミックが割れてしまったのであれば、早急に歯科クリニックを訪れましょう。
間違っても、割れた部分だけを自分自身で口内に戻そうとしてはいけません。
仮に元の位置に戻ったとしても、機能性や噛み合わせは間違いなく割れる前よりも悪化しています。
またセラミック治療を取り扱う歯科クリニックのほとんどは、セラミックの人工歯に保証期間を設けています。
こちらの期間内であれば、割れてしまったセラミックも無料で修理、つくり直しができます。
逆に言うと、保証期間を過ぎた場合はまた患者さんの自己負担になってしまうため、注意してください。
ちなみにセラミック素材の一般的な保証期間は、インレーが1~2年、クラウンが3~5年に設定されているケースが多いです。
受診する歯科クリニックの保証期間については、必ず事前に確認しておきましょう。
まとめ
セラミックは優れた素材ですが、強い衝撃に弱く割れやすいという点だけは事前に把握しておきましょう。
またセラミックを装着した後、噛み合わせなどに違和感を覚えた場合は、放置せずすぐ歯科クリニックに相談してください。
前述の通り、対応が早ければ無料で修正してもらえる可能性がありますし、噛み合わせや虫歯、歯周病といった問題も発見しやすくなります。